MuleSoftは一つのプラットフォームで「複数サービスのデータ連結と基盤運営」を実現するiPaaSサービスです。Anypoint Platformはブラウザベースの統合開発環境でインタフェース定義情報を作り作成APIの公開を行います。今、もっとも注目されるサービスの一つであるMuleSoft Anypoint Platformを使用し他のプログラム言語利用時と比較しました。前回に引き続き、本記事では初心者向けに解説します。
Anypoint Platformとプログラム言語を比較するための課題
実装課題を設け、所要時間を比較しました。
課題
5秒ごとにGoogleSheetsの取引先責任者新規行をチェックしてSalesforceに同期する
以下の4種類を比較しました。
・MuleSoft Anypoint Platform- Anypoint Studio
・MuleSoft Composer
・APEX
・Python
※APEXはバッチ+スケジューラを利用。
1.MuleSoft AnypointPlatform- Anypoint Studioを利用して課題を行う
1-1. 初期設定
①Mulesoft AnypointPlatform- Anypoint Studio 画面
②「新規プロジェクト作成」をクリック
③プロジェクト名を入力
④Exchangeからコネクターをダウンロードする
⑤ダウンロード画面
⑥必要なコネクターをドラッグ
1-2. Google連携
⑦ドラッグ後画面 ※コネクタは「Googleシートに新しい行が追加されたらどうするか」というトリガー
⑧Googleに接続するための設定
⑨Google認証情報入力
1-3. Salesforceのアクション選択
⑩新しいHTTPリスナー作成、内容確認後「OK」
⑪コールバック設定
⑫シートIDとシート名を入力
⑬Salesforce設定
⑭新規コネクター設定
⑮Salesforce認証情報設定
1-4. 連携項目選択
⑯接続をテストしてオブジェクト情報を獲得
⑰オブジェクトを選択
⑱項目をマッピング
⑲トリガーの間隔を5秒にする
⑳アプリをデバックで起動
㉑起動後画面
㉒設定されたGoogleの認証情報で認証する
㉓認証成功の確認
1-5. 実行後のイメージ
㉔新しい行を追加
㉕Salesforceで同期情報を確認
㉖同期情報詳細
2.MuleSoftComposerを利用して課題を行う
2-1. フローを作る
①Salesforce内で作業
②新規フロー作成
③イベントを選択
2-2. Google連携
④GoogleSheetsコネクタ使用
⑤Google認証情報
⑥認証
⑦認証後実際の設定へ Googleシート情報を入力
2-3. Salesforceのアクションと連携する内容を選択
⑨必要な項目を選択
⑩次のアクションを追加
⑪必要なアクションを選択
⑫新規コネクションを選択
⑬Salesforce認証
⑭認証後Salesforce設定
⑮取引先責任者、項目を設定
⑯フロー名を設定
⑰フローをテスト※トリガーが動く(データの入力待ちの状態)
⑱テスト完了後フローを有効にする
2-5. テスト
⑲開発完了 検証
⑳データ追加
㉑連携を確認
3.プログラミング言語との比較
今回は「5秒ごとにGoogleSheetsの取引先責任者新規行をチェックしてSalefsorceに同期する」課題を設定し、
・MuleSoft Anypoint Platform- Anypoint Studio
・MuleSoft Composer
・APEX
・Python
上記4種類を使用し課題解決に必要な時間を調査しました。
MuleSoft Anypoint Platform- Anypoint Studioは、開発に必要な時間は7分でした。コード不要、コンパイル不要で、デプロイに5分かかりました。
MuleSoft Composerは、開発に要した時間は2分。コード不要、コンパイル不要、デプロイ不要でした。
APEXの場合この課題だと開発には8時間、コード合計行数は1500行(テストクラスも含めます)、コンパイル/リリース時間は20分、デプロイ0分が必要です。
Python利用時は開発に必要なのは2時間、コード合計行数は300行、コンパイル/リリース時間は10分、デプロイ0分となります。
比較した結果、改めてMulesSoftが連携に特化していることがわかります。開発に必要な絶対時間がAPEXやPythonとは比較対象にならないくらい短いため、連携業務の開発時間を飛躍的に短くすることができます。今後の連携業務に必須となるのではないでしょうか。
まとめ
MulesSoftを実際に使用しプログラム言語と比較検証しました。サービス基盤が短時間で構築できるのは知識としてありましたが、作業工数の少なさに感動しました。業務効率化に今後欠かせないのは間違いなさそうです。