2023年11月末、ザ・プリンス パークタワー東京にて、2日間にわたりSalesforce World Tour Tokyoが開催されました。今回のテーマは「データ + AI + CRM + 信頼でこれからの時代をリードする企業へ」ということで、ここ1年で急速にビジネスの現場にも広がりをみせるAIを肌で感じられるイベントでした!
その中から、「AI活用で営業売上に貢献する 戦略的BtoBマーケティング」というセッションの内容をレポートしていきます。
AI活用で営業売上に貢献する 戦略的BtoBマーケティング
今回のSWTT全体のテーマであるデータ+AI+CRM+Trustがどのように営業・マーケティング活動を変えるのかという内容を、事例とソリューションデモの2部制でお話しいただきました。
パイオニア株式会社様の活用事例
まずは、パイオニア株式会社様の活用事例です。パイオニア株式会社様は日本を代表するオーディオメーカーでしたが、現在はカーナビシステムなどをメインに手掛けられているそうです。
2023年6月に企業の新たなミッション・ビジョン・バリューを策定し、創業からの企業理念「より多くの人と、感動を」を企業ミッション、ありたい姿を示す企業ビジョンとして「未来の移動体験を創ります」を掲げているパイオニア株式会社。 社内カンパニー制を導入し、その1つとしてデータソリューション事業を行う「モビリティサービスカンパニー」があります。その主な役割は、今後成長が見込まれるテレマティクス事業を中心にデータを活用する事業を行い、顧客課題解決型サービスの拡大を図ること。パイオニアがそれまで得意としてきた「モノづくり」に「サービス」を掛け合わせ、企業が保有する車両のテレマティクスサービスを提供する「ビークルアシスト」や、損害保険事業者と共同で開発したテレマティクスサービスなどを手掛けています。
※Salesforce公式サイト事例記事より引用
https://www.salesforce.com/jp/resources/customer-stories/pioneer/
デジタル変革
古い体制の会社で事業の変革は容易なことではなく、DX・デジタル人材は外部から調達していったそうです。今回の事例の商品であるネットにつながったドライブレコーダーは、情報をクラウド上にアップロードし、今車両がどににあるのか、運転の傾向、事故の有無などのデータを蓄積しています。今までは販売パートナーが販売を担っていいましたが、直販を強化する運びとなり、デジタル変革に着手されたそうです。
Salesforceを活用
2019年頃にはSales CloudとMAツールは導入され、スピーカーの大野様が入社された際に基礎工事は済んでいたそうです。ただ、リードやwebアクセス、アポイントなどが少ない状況で、また顧客のペルソナやカスタマージャーニーが設定されていない状態だったとのこと。MAをSalesforce以外のものからAccount Engagementに変更し、Sales Cloudとの連携をシームレスに、そして営業とマーケでダッシュボードを相互に確認し、マーケから営業に渡すリードの質や量を変化させていったそうです。まずは小規模な商談の量をこなし、手が回らなくなってきてからは商談の規模を大きくする。そうすると受注率が下がってしまう。そこで次は受注につながるコンテンツをマーケが用意する必要が出てくる、といった流れをたどっていきました。ここで重要だったのは、共通言語(=数字)であり、それをSalesforceを使って視覚化していきました。
ペルソナとやカスタマージャーニーの設定といった設計書に、Salesforceという共通言語によって営業とマーケのコミュニケーションが取れ、数字は自ずと上がっていきます。パイオニアでも新規顧客受注台数は8倍以上という数字を取ることができたそうです。
データドリブンに重要なのは共通言語。これからはOffice製品が扱えるのと同じように、Sales CloudやAccount Engagementなどの商品を扱えるのは必須のスキルとなる、とおっしゃっていたのが印象的でした。(実際、BtoBでは採用時に重視しているそうです。)
ソリューションデモ
続いてはSalesforceのソリューションデモです。
AI革命のいま
これまでマーケティング施策には下記のような状況でした。
- 施策概要の作成に時間がかかる
- 単調なセグメンテーション
- 限られたコンテンツ
- 手動で作る顧客体験のストーリー
これからはAIを活用することによってこれらを実現することができます。
- 施策概要の作成は迅速に
- 直感的なセグメンテーション
- より多くのコンテンツ
- 自動化された顧客体験のストーリー
ぱっと見ただけでも、多くの時間がかかっていた企画やコンテンツ作成にAIを活用できることがよくわかります。
そして、AI活用のすべての基盤となるのはデータです。データには、下記のようなものがあり、これを生成AIと予測AIで使用していきます。
- 匿名データ
- ファーストパーティの人口統計/企業データ
- 顧客自ら企業に提供するデータ
- 行動データ
- 営業活動で得たデータ
- 顧客履歴データ
Data CloudとAccount Engagementでどんなことができるようになる?
今後、Data CloudとAccount Engagementで何ができるのかを見ていきます。
1. すべての顧客データをひとつに
2. 適切なターゲットに適切なタイミングでアプローチ
3. チャネルを超えて個々人に応じた顧客体験を
また、Data CloudとAccount Engagementを使用することで、より複雑なセグメント設定が可能になるようです。
例えば上記の画像のようにどの商品を失注した商談なのか、など個人に紐づく5階層下のデータも使用することができるそうです。また、Einstein類似セグメントを作成して特定のセグメントに似たリストを作成することも。
現時点では、7つの予測AIが利用可能で、生成AIは今後米国にて順次提供が開始になるそうです!メールマーケティングの件名やテキスト内容など、最適なものを提案してもらえるようになると、今までクリエイティブにかかっていた時間の大幅な削減が可能になりますね。
Salesforce World Tour Tokyo「AI活用で営業売上に貢献する 戦略的BtoBマーケティング」の所感
「AIのパワーはデータのパワー」というフレーズが、とても印象的でした。より精度の高い予測や生成を行うためには、それの基になるデータの量や質が重要なのですね。そして、集めたデータをいかに使いこなせるかが肝心です。また、パイオニア株式会社様のように、今後は採用時にSalesforceの知識も必須のスキルとなっていくのは自然な流れだなと感じました。
当社ではSalesforceを活用してDXを実現するコンサルティングを行っております。お困りの点などございましたらお気軽にご相談ください。
ご相談はこちら