前回のコラムでは、Salesforce認定資格にはどのような種類があるかお伝えしました。基本資格と上位資格に分かれていることや、資格試験の全体像についてご理解いただけたかと思います。
今回のコラムの前半では、マーケター/コンサルタント向けの具体的なおすすめの資格4種類を個別に取り上げ、難易度、出題内容や身につくスキルを説明いたします。
後半は、弊社で活躍しているコンサルタント2名にインタビューを行い、「おすすめの勉強法」「モチベーションをキープする方法」「試験に合格してよかったこと」を聞きました。現役コンサルタントのリアルな学習方法を解説いたします。
マーケターやコンサルタント向けの資格4選
*Salesforce資格取得は、いきなり難易度の高い資格に挑戦するのではなくステップを踏んで勉強することをおすすめします。
Salesforce認定 認定アソシエイト 難易度:★☆☆
Salesforce認定アソシエイト資格は、Salesforce Customer 360 Platformを理解し活用するTrailblazer向けのエントリーレベルの試験です。Salesforce初心者(Salesforce 経験が0〜6ヶ月)が対象で、レポート、ユーザー管理、共有、カスタマイズ、データ管理についての基本知識が求められます。技術的専門知識は問われません。
この試験の合格は、Salesforce Customer 360 Platformを活用する基本的なスキル保持者であることを証明します。
出題内容
・Salesforce の基礎知識
・レポート
・ユーザー管理
・共有
・カスタマイズ
・データ管理
認定資格試験の準備: Salesforce 認定アソシエイト | Salesforce Trailhead
Salesforce認定 認定アドミニストレーター 難易度:★☆☆
Salesforce 認定アドミニストレーター資格は、Salesforceの使用実績がある方向けで、システム管理者としての知識や能力を証明する基本資格です。合格は、Salesforce Customer 360 Platformの理解・活用の基本的なスキル保持者と認定します。
出題内容
・Salesforce の基礎知識
・レポート
・ユーザー管理
・共有
・カスタマイズ
・データ管理
アドミニストレーター認定試験に向けた学習 | Salesforce Trailhead
Salesforce 認定 Marketing Cloud Account Engagement スペシャリスト 難易度:★★☆
Account Engagement プラットフォームを使用したマーケティングワークフローの設計、構築、実装スキルと知識を証明する資格です。リードスコアリング、メールマーケティング、リード生成などのツールを組み込んだ戦略的なマーケティングプロセスの構築、レポートを参考にしたデータ主導の判断を下せるスキル保持者であることを証明します。
出題内容
・リードスコアリング
・メールマーケティング
・リード生成
・レポート
【Salesforce公式】認定 Marketing Cloud Account Engagement スペシャリスト 対策
Salesforce認定 Marketing Cloud アドミニストレーター 難易度:★★☆
業界や製品のベストプラクティスに従いMarketing Cloud 製品の設定業務を担当する管理者対象の資格です。Salesforce認定アドミニストレーター資格取得後の取得をおすすめします。この試験は、Marketing Cloud でエンドユーザーに提供される機能、使用可能な構成オプションの知識が必須です。
出題内容
・Salesforce の基礎知識
・レポート
・ユーザー管理
・共有
・カスタマイズ
・データ管理
【認定 Marketing Cloud アドミニストレーター試験に向けた学習 | Salesforce Trailhead
マーケター/コンサルタント資格試験インタビュー
今回は、弊社在籍のコンサルタント2名に資格試験取得についてのインタビューを実施しました。
最初に取得した資格はなんですか?
長谷川 認定アドミニストレーターです。当時はこれを取得しないとコンサルタントとして仕事ができないと言われていました。2023年に登場した認定アソシエイト資格はアドミニストレーターの試験範囲よりコンパクトになって初心者にもとりやすい資格だと思います。
堀 認定アドミニストレーターです。
Salesforceの資格を取得したきっかけは何ですか?
長谷川 前職の研修でSalesforceを学びました。「CRMツールって何だろう」というところからスタートしましたが、勉強範囲も広くとても難しかったです。資格を取得しないと業務に着手できない状態で緊張しました。
堀 前職(開発会社)でSalesforceを取り扱う部門に配属されたことがきっかけです。開発職のためSaaS、CRMツールの知識はありましたが、Salesforceが多機能すぎて範囲をカバーするのが大変でした。合格して当たり前の雰囲気だったのでプレッシャーでした。
アドミニストレーターの資格を取得するために、どのくらい勉強しましたか?
長谷川 社内研修で勉強しました。期間は3週間くらいです。はじめの1週間は1日8時間程度、講師に教わる形式で講義を受け、残りの2週間は試験対策、機能集など作っていました。受験者内で共通の引っかかる問題の対策をたて、YouTubeを見ながら動作確認をしました。
堀 アドミン取得のためにTrailhead*三昧の日々を送りました。勉強は全部で1ヶ月(合計100時間)くらいです。業務として勤務時間中に勉強時間を確保してもらえたことがとてもありがたかったです。試験直前は土日も、試験対策サイトで類似問題を解き正解率を100%にしてから受験しました。
*Trailhead:Salesforceが運営する学習環境プラットフォームです。Salesforce各種資格の勉強はこちらから無料で利用できます。
Salesforce 認定 Marketing Cloud Account Engagement スペシャリスト/コンサルタントを取るときに難しかったことは?どうやって乗り越えましたか?
長谷川 マーケティングの考え方を理解するのが大変でした。Salesforceとの用語の違いやデータの持ち方の違いが難しかったです。自己学習で学ぶためにデベロッパー環境を取得してハンズオンで学習して理解を深めました。基礎知識が不足しているマーケティングについて調べながらの勉強で、 Marketing Cloud Account Engagement コンサルタントはマーケティング知識に加えて提案も必要とされたため、コンサルタント資格の中で一番難しかったです。
堀 それまで開発業務を担当していたのでマーケティングに関係する知識が不足しており、Marketing Cloud Account Engagement スペシャリストが一番難しかったです。何ができるのかが理解しにくく、実際のサイトがないと動かして見られないので大変でした。社内環境で勉強しましたが、現場で触った方が確実に理解できると思います。プロスペクト、リード、取引先責任者等の要素の取り扱いが難しかったのはよく覚えています。
おすすめの勉強方法は?
長谷川 Trailheadからはじめました。慣れてきてからはTrailmixをカスタマイズして自分で勉強するものを決めました。テキストを見て読んで理解するより実機を触ってみるのが一番頭に入りやすいと思います。資格ごとにウェビナーがあるので見てから開始することをおすすめします。やはり動画の方が勉強しやすいので、サクセスナビの動画もおすすめです。最新情報の掲載もあり、情報源として基本的には公式の内容で勉強すると確実だと思います!
堀 コロナ前はオンサイト研修に行きましたが、その後のコロナ禍で無料ウェビナーが開催されるようになりとても重宝しました。アドミンを目指す人は機能関連のウェビナーはおすすめです!アップデート内容や試験対策もあります。
*参考:Account Engagement はじめてガイド
初めてSalesforce資格をとるマーケターにおすすめの資格は?
長谷川 Salesforce 認定アドミニストレーター → 認定 Marketing Cloud Account Engagement スペシャリスト(旧:Salesforce 認定 Pardot スペシャリスト)→ Marketing Cloud Account Engagement コンサルタント この順番がおすすめです。Salesforceの用語があるので理解してから進むのが順当だと思います。
堀 Salesforce 認定アドミニストレーターで全体を大まかに把握してから、それぞれの機能を深めていく資格に進んでいくと、勉強しやすいと思います。
資格を受け続けるモチベーションはどこから来ていますか?どのようにその気持ちをキープしていますか?
長谷川 勉強したものが業務で生かされたときは嬉しく、これがモチベーションにつながります。新たな業務経験を積んで機能を理解したタイミングで別の資格試験を受けてみるといいループが生まれます。案件対応にあたって理解を深めるてそれがさらの上の資格取得の動機になります。また、ADXでの資格取得時の報奨金も嬉しいです。
堀 自分のレベルが上がるとともに、会社のレベルが上がることに(*Navigatorプログラム認定パートナーとして)目に見える形で貢献できるところが大きいです。
業務で使用し機能が理解できている製品があると試験を受けやすいですし、合格認定されると技術者として誇らしいです。報奨金があることもポイントが高いです。
*Salesforceは「製品・業界・サービス別認定パートナー」の専門能力を評価し認定するNavigatorプログラムがあります。弊社はSales Cloud製品分野においてLevel ⅡSpecalistの認定を頂いています。これによりSalesforce社より「高水準のカスタマーサクセスを実現することができる知識と経験を持つパートナー」と認定されました。
https://appexchangejp.salesforce.com/mktcollections/curated/navigator#products-1
*ADXでは、資格試験合格者への報償金制度があります。
資格を取得してよかったことを教えてください。
長谷川 キャリアパスが広がりました!
堀 担当業務が拡がりました。取得資格を持っているだけにならないように、どう業務で活用できるか意識するようになり、業務全体を俯瞰する視野がひろがりました。
これから取得を目指す人に一言お願いします!
長谷川 つらく感じてプレッシャーに負けそうになることもありますが、勉強も仕事もひとつひとつの点の積み重ねです。資格を勉強していくと少しずつ点と点が繋がり、あるとき仕事の世界がひろがります。理解が深まると見える世界も変わってくるのであきらめないで挑戦し続けて欲しいです!
堀 自分が目指す方向性によって取得する資格は変わります。試験科目だけ一点を目指すのでなく、全体を把握してから深掘りしていくのがおすすめです。
まとめ
今回は前半にマーケター/コンサルタントにおすすめのSalesforce資格詳細、後半に資格取得者インタビューをお届けしました。
実際にSalesforce資格を複数取得し、現在も上位資格に向けて勉強中のコンサルタント2名のインタビューはとても楽しいものでした。「あの試験の問題のここでつまづいて・・・・」「そう!そこで、この動画に出会って」「ウェビナー見て解決して・・・」など、ものすごく盛り上がりました。Salesforceの経験が全くない中、わからないなりにどうしたらわかりやすくなるかを手探りで工夫して勉強していった姿が印象的でした。職種としてマーケターではないけれどCRMを今後使用したいという思いから「Marketing Cloud Account Engagement スペシャリスト」を受験した話はインタビューする側も刺激をもらいました。「勉強して受験した時点ではマーケットの知識がなく用語を覚え理解することがとても大変でしたが、現在の業務に役立っている。点のように感じされた資格勉強が複数取得で線になり仕事の幅が広がります。」という説明がSalesforce資格取得について全て説明しているのではないでしょうか。
次回は、CRM管理者/コンサルタント向け資格について解説します。CRM(顧客関係管理)の注目度は高く、リード(見込み顧客)の管理やスコアリングの考え方はマーケティングを強力にサポートします。また営業活動にも多くのメリットをもたらすことから、受験者の多い人気資格です。CRM業務担当者や今後CRM業務に携わりたいという方に向けたおすすめの資格や試験の内容をお伝えします。
またADX Consultingでは資格取得を推進しており、資格取得に向けた勉強会の実施・資格合格時の報奨金制度を取り入れております。
今後Salesforceについて資格を取得して、仕事にしていきたい方はカジュアル面談も実施しておりますので是非こちらのページからご相談ください!
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